広島県呉市安浦町、野呂山にある「野呂山スピードパークキャンプ場跡」を訪ねました。
名前だけ聞くと普通の廃キャンプ場に思えますが、ここにはちょっと変わった過去があります。
実はこの場所、もともとは「野呂山スピードパーク」というサーキットがあった場所。
サーキットが閉鎖された後、その跡地がキャンプ場として利用され、そして現在はそのキャンプ場も閉鎖されています。
つまり、
サーキット → キャンプ場 → 廃キャンプ場
という、ちょっと珍しい変遷をたどった場所です。
野呂山スピードパークとは
野呂山スピードパークは、広島県呉市の野呂山にかつて存在したサーキットです。
1969年(昭和44年)に完成し、翌1970年からレースが行われました。
野呂山の地形を利用したコースで、高低差の大きさが特徴だったといいます。
当時は自動車レースが開催され、開業直後には「全日本ストックカー呉200kmレース」も行われました。
呉市の資料によると、野呂山スピードパークは昭和44年にオープンし、昭和49年に閉鎖。
騒音による自然保護の声が高まったことや、1973年のオイルショックなどが閉鎖の背景にあったとされています。
わずか数年間の営業でしたが、野呂山には本格的なサーキットが存在していたのです。
現在の航空写真を見ると……

現在の航空写真を見ると、木々に埋もれるようにして、かつてサーキットだった場所の形がなんとなく確認できます。
コースがあったことを知らなければ、ただの山林にしか見えないかもしれません。
現在は自然に覆われつつありますが、地形の中にはかつてのサーキットの痕跡が残されています。
サーキット跡地はキャンプ場に
サーキットが閉鎖された後、この跡地はキャンプ場として利用されていました。
サーキットだった場所を、今度はアウトドアを楽しむ場所として再利用したわけです。
しかし、そのキャンプ場も現在は閉鎖されています。
今回訪れたのは、その「キャンプ場跡」です。
キャンプ場の入口

入口には鉄製の柵が設置されています。
その中央には、キャンプ場が営業していた頃のものと思われる看板が残っていました。
「デイキャンプ 入場料 大人500円 小人200円」
と書かれています。
現在は閉鎖されているため、もちろん営業していませんが、こうした料金表示が残っていると、ここがかつてキャンプ場として利用されていたことを実感できます。
プレハブ建ての受付小屋

少し進むと、受付に使われていたと思われるプレハブ小屋が残っています。
壁には、
「大人500円 小人200円 オートキャンプ 3,500円」
という文字が。
キャンプ場として営業していた頃には、ここで利用者を受け付けていたのでしょう。
現在は人の気配もなく、かつての施設だけが取り残されています。

別の角度から見ると、色褪せていますが、壁面にはニジマス釣り堀の絵が描かれていました。
キャンプだけではなく、釣り堀なども楽しめる施設だったようです。
子ども連れの家族などが訪れていた頃の様子を想像すると、現在の静かな雰囲気とのギャップが大きく感じられます。
受付の中には当時のものが残る

外から受付小屋の中を覗いてみると、天井は剥がれテーブルや椅子などが散乱しています。
もちろん現在は使用されていません。
営業を終えた施設が、そのまま時間だけを重ねているような雰囲気です。
この先にかつてのサーキットがある

鉄柵越しに先を見ると、道がさらに奥へと続いています。
この先にあるのが、かつて野呂山スピードパークのサーキットがあった場所。
現在は木々に覆われ、レーシングカーが走っていたとは想像しにくい景色になっています。
サーキットが閉鎖されてから長い年月が経ち、さらにその跡地を利用したキャンプ場も閉鎖。
現在では、二つの施設の痕跡が重なるように残されています。
サーキットからキャンプ場、そして現在
野呂山スピードパークは、1969年に開業して1974年に閉鎖されました。
その後、この跡地はキャンプ場として利用されましたが、現在はこちらも閉鎖されています。
同じ場所でも、時代によってまったく違う使われ方をしていたことが分かります。
野呂山スピードパークキャンプ場跡。
二つの施設の歴史が重なった、ちょっと珍しい廃施設跡でした。


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