野呂山といえば、標高839mの山頂から瀬戸内海を望む景色や、登山・ハイキング、キャンプなどで知られる場所。現在も山頂付近にはロッジやキャンプ場などがあり、観光地として利用されています。
そんな野呂山には、現在も別荘地が残っています。
そして、その中には長い間使われていないと思われる建物もいくつか残されていました。
野呂山の別荘地と廃墟
野呂山の別荘地は、1970年代ごろに開発が進められた場所だったようです。
当時の野呂山周辺は、別荘地だけでなく遊園地やサーキット場なども整備され、新しい観光地として大きく発展することが期待されていました。
ところが1974年のオイルショックをきっかけに景気が悪化。サーキット場等の野呂山周辺のレジャー施設も次々と閉鎖されていきます。
その後、昭和の終わりからバブル期にかけての、別荘地ブームに乗って、この地は「理想のセカンドハウス」として大々的に開発され、多くの人々がこぞって別荘を建てていきます。
経済の崩壊と、リゾート需要の劇的な変化
1980年代の別荘ブームに乗って次々と建設された物件ですが、1990年代にバブルが崩壊すると需要は一気に冷え込みました。
さらに、当時のオーナーたちが高齢化し、世代交代のタイミングで「遠くて管理できない」「使い道がない」と放置されるケースが相次いだのです。
建物を解体するには数百万円という多額の費用がかかることや、相続が繰り返されて「所有者不明」になってしまっていることも、この廃墟群がそのまま残り続けている大きな理由です。
別荘地に残る廃墟群の一部

建物の周囲は草木に覆われ、長い間使われていないような雰囲気です。
別荘として使われていたものなのか、あるいは別の用途だったのか、現在の状態からは詳しいことは分かりません。
かつてここで、休日を過ごしたりしていたことを考えると、現在の姿とのギャップが印象的です。
三角屋根の廃墟

別荘地らしい山小屋風の雰囲気があります。
周囲の木々がかなり成長していて、建物そのものが自然の中に埋もれつつあるように見えました。
ロッジ風の廃墟

山の中にあることもあって、こうした建物はどこか避暑地のロッジを思わせます。
しかし現在は手入れされている様子もなく、木々に侵食されひっそりと残されています。
丸太小屋風の廃墟

避暑地の別荘地らしく、それぞれの建物に違った特徴があります。
アスレチックのような廃墟

周囲の自然に取り込まれ、何のために造られたものなのか分かりにくくなっています。
プレハブ・コンテナのような小屋

これまで見てきた建物とはかなり雰囲気が違います。(倉庫?)
「売り物件」の看板

廃墟となった建物を見ながら走っていると、土地の斜面には「売り物件」の看板もありました。
自然に還りつつある別荘地
今回印象に残ったのは、別荘地と自然の境目がなくなりつつあることでした。
手入れされなくなった建物の周囲には草木が生い茂り、建物によっては自然の中に隠れるようになっています。
一方で、何者かによって荒らされたように見える建物もあり、すべてが静かに朽ちているわけではありません。
野呂山では現在もキャンプやハイキングなどが楽しまれており、観光地としての姿は残っています。
地図には載っていない、ひっそりと息を潜めるノスタルジックな風景。
野呂山を訪れた際は、少しだけ足場を伸ばして歴史の痕跡を探しに行ってみるのもいいかもしれません


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