鹿児島県南さつま市加世田内山田にある「内山田の瀬戸」に行ってきました。
「内山田の瀬戸」とはシラスの山を掘り削って造られた切り通しのような道。
両側には無数の防空壕が残っています。
シラスを掘り抜いた道

内山田の瀬戸は、シラスの山を掘り削って造られた道路です。
ここでいう「シラス」とは、鹿児島や宮崎など南九州に広く分布する、火山の噴火によって堆積した火砕流などが固まってできた地層のこと。
見た目は砂や土のようですが、場所によっては比較的掘りやすいため、鹿児島ではシラス台地を削った道路や崖などをよく見ることができます。
このように、山や丘などの地形を掘り削って道路や鉄道などの通路を造ったものを「切り通し」と呼びます。
トンネルのように山を完全にくり抜くのではなく、山を両側から切り開いて道を通すため、左右に壁のような斜面ができるのが特徴。
内山田の瀬戸では、その切り立ったシラスの斜面がそのまま道路の両側に残っています。
車一台分ほどの狭い道
道幅は車1台が通れる程度。
車同士がすれ違うのはかなり難しそうな狭い道で、集落と集落を結ぶ生活道路といった雰囲気です。
現在も廃道になっているわけではありませんが、訪れたときは落ち葉や枝、小石などが道に散らばって、車が頻繁に通っている様子ではありませんでした。
周囲の雰囲気も含め、現在はほとんど使われていない道のようにも感じます。
道の両側に残る無数の防空壕

切り通しの両側を見ると、シラスの斜面にいくつもの穴が開いています。
一つ、二つという数ではありません。
道路沿いにいくつもの防空壕が並んでいて、かなり異様な光景です。
戦時中、これらは空襲などから身を守るための避難場所として使われていたようです。
現在は静かな山間の生活道路ですが、戦時中にはここも住民が避難する場所だったのでしょう。
シラスの地層は掘削しやすい場所もあるため、防空壕を造る場所として利用されたものと思われます。
ブロックで塞がれた防空壕も

すべての壕が開いたまま残っているわけではありません。
中には、入口をブロックなどで塞いであるものもあります。
長い年月が経った現在では、壕の崩落などの危険もあります。
南さつま市も、防空壕について崩落や一酸化炭素中毒などの危険があるとして注意を呼びかけています。
そのため、残っている防空壕を見つけても、中に入るのは避けたほうがよさそうです。
入口から内部を覗き込む場合も、崩落などには十分注意したいところです。
廃道ではないけれど、静かな道
内山田の瀬戸は、いわゆる「廃道」ではありません。
現在も道路として残っていて、集落間を結ぶ生活道路です。
ただ、道幅が狭いうえ、訪れたときには落ち葉や枝、小石などが散らばっていました。
車で走るよりも、周囲の防空壕を確認しながらゆっくり歩いたほうが、この場所の雰囲気を感じられると思います。
とはいえ、観光施設として整備された場所ではありません。
見学者向けの駐車場などもないため、訪れる際には周辺の生活や通行の妨げにならないよう注意が必要です。


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