鍛冶屋町に残る「多子塔」

熊本県人吉市鍛冶屋町。

昔ながらの町並みが残るこの場所を歩いていると、ひっそりと建つ小さな石塔がありました。

人吉市の中心部、鍛冶屋町の路傍にある多子塔と呼ばれる石塔。
多子塔(たしとう)。1647年、正保4年の建立。

多子塔(たしとう)といわれる供養塔で、観光名所というわけではないけど、ちょっと気になったので立ち寄ってみました。

多子塔の由来

すぐそばには、多子塔についての解説板が設置されています。

多子塔の案内板(写真付き)
案内板に詳しく

多子塔は、正保4(1647)年に建立されたとされています。

地元の言い伝えによると、江戸時代前期にこの地域で疫病が流行し、多くの子どもたちが亡くなったため、子どもたちの冥福を祈って、子を亡くした親たちが塔を建てたのだそうです。

また、この塔は庚申信仰とも関係があり、塔には庚申信仰を大切にする一族の繁栄や、子々孫々の安穏を願う内容が刻まれているのだとか。

現在では静かに町の一角に残っていますが、400年近く前からこの場所で人々の祈りを受けてきた塔ということになります。

歴史ある鍛冶屋町の一角で

多子塔がある鍛冶屋町は、その名の通り、かつて鍛冶職人が集まっていた職人町。

人吉は相良氏が長く治めた城下町で、鍛冶屋町には昔ながらの町割りや町家なども残されています。

そんな歴史ある町並みの中に、ひっそりと残っているのがこの多子塔。

調べてみると1647年建立とされる古い塔で、疫病で亡くなった子どもたちを供養するために建てられたという、少し切なくも歴史を感じる由来がありました。

人吉を訪れた際には、鍛冶屋町の町並みと一緒に、こうした小さな史跡にも目を向けてみると面白いかもしれません。

訪問メモ

所在地:熊本県人吉市鍛冶屋町
駐車場:なし
訪問日:2026年5月

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